人と人とのコミュニケーションには誤解がつきものです。「言った言わない。」「自分はこうだと思っていた。」

ひとりひとりバックグラウンドが違えば解釈も様々、家族でさえ食い違うことがあるのですから、まして他人である上司と部下、社長と社員ならば「行き違いがあるのが当たり前」と考えるのが当然でしょう。

 

それが人事評価に関わることとなれば、この記事(「コロナ禍の人事評価」に関する東洋経済オンラインの記事)のように、有能な社員が去っていくことにもつながり、会社にとって大きな損失です。

 

そういう意味で、「経営計画書(事業計画書)」という形で、「会社が目指すもの」や「社員に求めるもの」、そして「評価基準」等を「明文化」し「開示」することは、とても大切なことと思います。

 

私がそのことを強く意識したのは、東京都中小企業診断士協会の研究会である「人を大切にする経営研究会」で、スズキ機工、鈴木社長の講演を拝聴した時でした。

 

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鈴木社長が、倒産危機や社員との軋轢を乗り越え、古田土土満先生の「経営計画書の作り方」との出会いからその後の成長に至るまでは、ご自身で「弱者の経営戦略」という電子書籍にして公開されていますので、そちらをご覧ください。

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中小企業の経営において、「何のために」すなわち企業存在の目的(経営理念)に始まり、経営トップの社員に対する思い、経営戦略、収益目標、社員の努力に対しどのように報いるか等、あらゆることがスズキ機工さんの経営計画書には事細かく盛り込まれています。私にはそのひとつひとつが、社長と社員の約束にみえました。

 

私も、今、自社の経営計画書を作成し、またそれに対する意見をメンバーから聞いて、書き換え書き換えしています。

例えば「経営理念」、会話という言葉のやり取りの中では、互いにわかっているように思えても、いざ文章にまとめると、とてもあいまいだったことが分かります。もちろん「明文化」しただけでは「解釈」で相違がでることもあるでしょうから、それに加えてのコミュニケーションが大切なことは言うまでもありませんが、前提となる「経営計画書」は「基本のキ」と言えるでしょう。

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