組織が成長してくれば分業化が進み、職務の専門化が進みます。と言えばかっこいいですが、小さい会社であっても「役割分担」はあります。そして、それを決めているのは「社長」です。

 

「あなたは受付」「あなたは営業」「あなたは経理」云々…。

 

なぜ、分業化が進むか。それは、業務範囲の拡がりにより、各部署の専門的なスキルが必要になるから、ひとりですべてをこなすことはできなくなるから…つまり、その方が効率的で生産性が高い(はず)という理由で、そのような形態をとっているのです。(ほんと?)

 

組織の中で「それだけ」をやる人は、全体の中の一部を担い、時に「歯車」と呼ばれます。

でも、考えてもみてください。どんな役割の人だって組織の顔です。単にその方が「生産性が高くなる(だろう)」ということで、分業しているにすぎません。

なのに、いつの間にか働く側まで「自分の仕事はここまで」と勝手に決め込んで、「隣の人がどんなに忙しくてもお構いなし、だって自分の仕事じゃないから…。」みたいなことが、フツーになってしまいます。

いいですよ、いいですよ、大企業だったらそれで。余裕があるんだから。ひとりふたり遊んでいたって、「勝手にどうぞ、ハイ」ってなもんです。

だけど、人財に限りある中小企業がそれでいいんでしょうか?そして、そのこと(与えられた仕事だけこなすこと)が、本当にその社員のためによいのでしょうか?

 

ここに、経営理念を共有することの大切があります。

この、一見「歯車」と思われる仕事の結果、「お客様や取引先や、そこで働く自分たちの幸せにどれほど貢献しているのか」「「仕事に関わるみんなの共同作業があって、どれほど世の中の役に立っているか」、そのことを実感できるようにするのも、経営者の重要な役割、いや、最も大切な役割なのではないでしょうか。

 

「この人の仕事はこれ」なんて、社長が決めつけてはいけません。人の能力をみくびってはいけません。社長が期待した役割なんて、彼・彼女にとっては、「へのかっぱ」で、実は「なんでもこい!」のマルチタスク人間かもしれませんよ。

 

働く喜びは、「人の役に立ち人から感謝されること」です。そのことが実感できたとき、人は「自律」し「行動」します。

社長が想定していた1個の歯車が、いつのまにか3個分4個分の働きをするようになるかもしれないのです。

社長!そういう環境づくりをするのが、社長の仕事ではないですか!?

まあ、そうなれば、とても「歯車」なんて失礼な言い方できませんけどね。(笑)

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